痛風

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痛風|横浜市都筑区の整形外科 - 医療法人社団 颯和会【笠井整形外科】

痛風について

高尿酸血症の結果として、出現する急性関節炎を痛風と言います。

具体的には高尿酸血症の結果、関節内に尿酸結晶が析出し、それに対してサイトカインが放出され、炎症滑膜の増生・骨の侵食が起きます。

痛風病態

中年以降の男性に多く、母趾基部の関節(MTP関節)に激しい痛みと共に、発赤・熱感・腫脹が出現します。

母趾基部の関節(MTP関節)

アキレス腱・足関節・膝関節なども好発部位です。

特徴的な関節炎と共に、高尿酸血症の既往があれば痛風の可能性が高くなります。
一方、痛風発作中の血清尿酸値は必ずしも高値を示しません。関節液中や痛風結節中に尿酸塩結晶が見られると、痛風の確定診断となります。

痛風結節

尿酸結晶

痛風関節炎の治療

痛風の前兆期にはコルヒチン0.5mg1錠を内服し、痛風発作を予防します。
発作時は、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)を使用しますが、NSAIDs無効時は副腎皮質ステロイドを服用します。発作時には高尿酸血症治療薬は使用するべきではありません。

高尿酸血症の治療

高尿酸血症による関節炎や腎機能障害を予防することが目的です。
また、同じく生活週間病である肥満・高血圧・糖尿病・高脂血症などの合併に注意する必要もあります。

関節炎を繰り返す場合、尿酸値7.0mg/dl以上、関節炎はないが腎機能障害・高血圧などの合併症がある場合は尿酸値8.0mg/dl以上、全く無症候性であるが尿酸値9.0mg/dl以上が高尿酸血症の治療スタートの目安になります。

高尿酸血症治療薬には尿酸排泄促進薬(商品名:ユリノーム)と、尿酸生成抑制薬(商品名:ザイロリック、フェブリク)があります。
尿酸排泄低下型には尿酸排泄促進、尿酸産生過剰型には尿酸生成抑制薬を選択するのが基本です。
尿酸排泄促進薬の使用時は尿アルカリ化薬(商品名:ウラリット)を併用して、尿路結石の防止に努める必要があります。また中等度以上の腎機能障害を合併している場合は、尿酸生成抑制薬を使用すべきです。

尿酸値6.0mg/dl以下が目標となります。

高尿酸血症患者様の生活指導は、食事療法・飲酒制限・運動の3点になります。
食事療法では適切な摂取カロリー・プリン体摂取制限・十分な飲水が重要です。

プリン体の多い食品

運動はメタボリックシンドロームの改善に繋がります。毎日継続できるような軽い運動が望ましいです。

望ましい有酸素運動

痛風のポイント

関節炎を繰り返さないこと、他の生活習慣病の合併に注意することが重要です。
高尿酸血症の治療開始のタイミングは、関節炎の既往、合併症によって異なります。痛風予防のために、食事・飲酒・運動の指導は非常に大事です。

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