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肩|横浜市都筑区の整形外科 - 医療法人社団 颯和会【笠井整形外科】

五十肩

肩関節に痛みと拘縮(=関節が固まって動きにくくなった状態)があるものを、肩関節周囲炎と言い、このうち50歳前後に出現するものを五十肩と言います。

原因

五十肩

①烏口突起、②上腕二頭筋長頭腱、③腱板・腱板疎部・肩峰下滑液包、などの肩関節前方要素の炎症などが引き金となります。やがて、肩関節周囲の筋肉が持続的に緊張し、さらに、癒着や関節の袋が縮んで関節拘縮が完成します(=凍結肩:frozen shoulder)。

症状

初期は肩に限局した痛みが出現します。
やがて、肩を動かすと痛みが増悪するようになり、着替えなどの日常生活動作が困難になります。
急性期は夜間に痛みが増悪し、睡眠が障害されます。慢性期になると痛みは軽減しますが、全方向性の関節拘縮が完成します。

検査

単純X線像

特に異常所見はありません。

MRI

肩甲上腕関節や、上腕二頭筋長頭腱周囲に炎症性の液体貯留を認めることが多いです。
腱板損傷を認める場合は、五十肩と別の病態として区別します。

肩甲上腕リズム

正常時の挙上では、上腕の可動域と肩甲骨の可動域の割合は2:1であり、これを肩甲上腕リズムと言います。五十肩では、肩甲上腕関節可動域が著しく制限されます。

治療

「急性期は痛みを軽くする」「慢性期は拘縮の改善」が治療目標になります。

1

薬物療法

消炎鎮痛剤や筋弛緩剤を内服したり、湿布を使用します。

2

注射療法

炎症部位にステロイド入り局所麻酔剤の注射、癒着部位にヒアルロン酸注射をします。
鎮痛目的で肩甲上神経ブロックをすることもあります。

3

温熱療法

慢性期に局所循環改善の目的でマイクロ波を照射します。入浴も有効です。

4

運動療法

病態・解剖を理解した理学療法士が、痛み・拘縮の程度に応じて運動療法を行います。

1.振り子運動

前傾し、体を揺するようにして、脱力し、下垂した腕を前後左右に振り子のように動かします。

2.内旋・内転筋に対する等尺性(=アイソメトリック)運動

肩関節は動かさず、外力に対抗して内旋・内転方向に力を入れる運動をします。

3.肩甲上腕関節に対する徒手療法

回旋運動・前後運動・引き離し運動・滑走運動などの手技を使い、関節癒着を剥がし、肩甲上腕関節の可動域を拡大させます。

4.肩甲上腕関節周囲筋の筋力回復運動

可動域が回復した段階で、弾性バンド・重錐を用いて外旋・外転筋力回復運動を行います。

5.自宅で行える運動指導

自宅で行える、振り子運動、四つ這いでの両肩高挙運動、棒体操などをご指導します。

5

手術治療

①~④の保存治療に反応しない場合は、手術治療を選択します。関節鏡視下に癒着剥離や、瘢痕化した靭帯切離を行います。

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