TFCC損傷の病態
TFCCは外傷および加齢変性により損傷します。
尺骨が相対的に橈骨よりも長い(plus variance)状態である尺骨突き上げ、症候群に合併することもあります。
手首
Medical
手関節は橈骨、尺骨、および8個の手根骨から成ります。
橈骨と尺骨の遠位部の関節は遠位橈尺関節(DRUJ)と言います。
DRUJ、尺骨遠位、手根骨をつなぐ支持組織は三角線維軟骨複合体(TFCC)と言います。
TFCCは外傷および加齢変性により損傷します。
尺骨が相対的に橈骨よりも長い(plus variance)状態である尺骨突き上げ、症候群に合併することもあります。
が三徴です。具体的にはタオル絞りやドアノブ回しが困難になったり、動作時に手が抜ける感じ(slack)が出現します。
単純X線でplus variance
単純X線でDRUJの開大
MRIでTFCC損傷所見
などがあります。
TFCC損傷の治療には、まずは保存療法を施工します。
急性期の痛みにはRICE処置や消炎鎮痛剤を使用します。
リストケアプロというサポーターは非常に有効です。金具の有無で、手関節固定としても運動時サポーターとしても使用できます。
理学療法では手関節可動域拡大訓練や、筋力増強訓練を行います。遠位橈尺関節不安定性に注意しながら訓練を行います。
3ヶ月間の保存療法で改善しない場合には手術療法を検討します。
まずは手関節鏡視下にTFCCを観察します。
TFCC損傷の状況、尺骨variance、DRUJ不安定性などから手術方法を決定します。
plus varianceでDRUJ不安定性がない症例に行います。
neutralおよびminus variancで、DRUJ不安定性がない症例に適応がある手術法です。
DRUJ不安定性高度のTFCC損傷は尺骨遠位に縫合する手術法があります。
陳旧例では他部位の腱を利用する手術法がありす。